午後(PM①)
放射化学(4問)
問1. 物理的半減期の最も短い核種はどれか。 1. ³H 2. ⁹⁰Sr 3. ¹³¹I 4. ¹³³Xe 5. ¹³⁷Cs
正答:4
解説:³H:12.3年 ⁹⁰Sr:28.8年 ¹³¹I:8日 ¹³³Xe:5.25日 ¹³⁷Cs:30年
問2. 核分裂反応について誤っているのはどれか。 1. ²⁵²Cfは自発核分裂を起こす。 2. 核分裂片はβ⁺壊変するものが多い。 3. ²³⁵Uは熱中性子により核分裂を起こす。 4. 核分裂収率曲線は核分裂収率と質量数の関係を表す。 5. 入射粒子によって誘起されるものを誘導核分裂と呼ぶ。
正答:2
解説:核分裂片はβ⁻壊変が多いです。
問3. ⁹⁹Mo-⁹⁹mTcジェネレータについて正しいのはどれか。2つ選べ。 1. ⁹⁹mTcは生理食塩水で抽出する。 2. コレクティングバイアルは陽圧である。 3. ⁹⁹Moはアルミナカラムに吸着している。 4. ⁹⁹mTcの半減期は⁹⁹Moの半減期よりも長い。 5. ミルキング後約66時間で⁹⁹mTcの生成曲線が極大となる。
正答:1,3
解説:バイアル内は陰圧にする。陽圧だと吹きこぼれる可能性があります。⁹⁹Moの半減期は67時間、⁹⁹mTcの半減期は6時間、約24時間で極大となる。
問4. 放射性同位体を利用した同位体希釈分析法で正しいものはどれか。 1. 逆希釈法では比放射能は低下しない。 2. 二重希釈法は非標識化合物を加える。 3. 直接希釈法は標識化合物の試料を分析する。 4. 分析による放射能濃度の変化の程度を測定する。 5. 分析試料を定量するためには目的物質をすべて回収する必要がある。
正答:2
解説:
放射化学分析:放射性
放射分析:非放射性
放射化分析:非放射性
直接希釈法:非放射性
逆希釈法:放射性
二重希釈法:放射性
診療画像機器学(10問)
問5. X線管装置で誤っているのはどれか。 1. X線強度はターゲット角度で変化する。 2. 管電流は電極間距離の2乗に反比例する。 3. 管電圧波形のリプル百分率は短時間許容負荷に影響する。 4. 実効焦点とは実焦点の基準面への垂直投影したものをいう。 5. ブルーミング効果とは管電圧によって焦点寸法が変化する現象をいう。
正答:5
解説:ブルーミング効果とは、管電流によって焦点寸法が変化する現象をいう。
問6. インバータ式X線高電圧装置で正しいのはどれか。 1. インバータ周波数が高いほど電力変換効率は高い。 2. 管電圧のリプルは高電圧ケーブルが長いほど小さい。 3. インバータ周波数が高いほど高電圧変圧器の鉄損が減少する。 4. 共振型装置はチョッパのパルス幅を変化させて管電圧の調整を行う。 5. 方形波型装置は共振型装置よりもスイッチング時の電力損失が小さい。
正答:2
解説:インバータ周波数が高くなるほど損失が大きくなるため、変換効率は低下する。方形波型はハードスイッチングのため損失が大きい。
問7. FPDで正しいのはどれか。 1. 均一なX線を照射してオフセット補正を行う。 2. 直接変換方式にはホトダイオードが用いられる。 3. 間接変換方式ではX線変換部に高圧を印加する。 4. 画像信号の読み出しはTFTスイッチングで行う。 5. 間接変換方式では素子間の感度補正は不要である。
正答:4
解説:ホトダイオードは間接変換方式に用いられる。オフセット補正は。感度補正に用いられる。問題文章はゲイン補正の文章である。素子間の感度補正は必ず必要である。
問8. X線撮影における仮想グリッド処理で正しいのはどれか。 1. X線の斜入による濃度ムラを改善する。 2. 散乱線起因の画像のコントラスト低下を改善する。 3. 設定グリッド比が高いほど散乱線抑制効果が低い。 4. 出力画像は原画像に散乱線推定画像を加算して作成する。 5. 設定グリッド比を変更すると検出器への入射(到達)線量も変化する。
正答:2
解説:バーチャルグリッドも通常のグリッドと同じように散乱線の除去をしてコントラストの改善をする事が出来る。
問9. デジタルトモシンセシスで正しいのはどれか。 1. 運動撮影中は X 線を連続照射する。 2. 受像器はイメージングプレートである。 3. 断層厚は振れ角が大きいほど厚くなる。 4. 受像器に対して垂直の断層面が得られる。 5. 1 回の撮影で同時に複数の断層面が得られる。
正答:5
解説:撮影は連続的ではなく、断続的に照射されます。FPDが用いられます。断層厚は振れ角が大きいほど薄くできます。受像器に対して平行な断層面が得られます。
問10. 乳房用X線装置で正しいのはどれか。 1. 放射窓にはMoが使用される。 2. 胸壁側に陰極が配置されている。 3. 付加フィルタとしてBeを用いる。 4. 圧迫板は300Nを超えた加圧が可能である。 5. 拡大撮影用焦点サイズは0.3mm程度である。
正答:2
解説:放射窓にはBeが用いられる。付加フィルタとしてはMoやRhが用いられる。圧迫板は最大200Nである。拡大撮影用の焦点サイズは0.1mm程度である。
問11. CTDI及びDLPで正しいのはどれか。 1. CTDIの単位はmSvである。 2. DLPの値は実測により得られる。 3. DLPの値は患者の性別によって異なる。 4. CTDIの値は検査部位が異なっても同一である。 5. いずれも患者の被ばく線量の評価に用いられる。
正答:5
解説:CTDIの単位はmGyである。CTDI、DLPは性別や検査部位によって異なる。
問12. MRIの撮影中に検査室内に発生する規則的な音の原因で考えられるのはどれか。 1. 静磁場の回転 2. クエンチの発生 3. 傾斜磁場の印加 4. 電源装置の振動 5. RFパルスの印加
正答:3
解説:騒音の原因となるのは傾斜磁場の印加によって、力が発生してガントリを揺らし音が出ています。
問13. 超音波画像診断装置におけるパルスドプラ法で正しいのはどれか。 1. FFT波形の縦軸は時間である。 2. FFT波形の横軸は流速である。 3. 定常流と拍動流を区別できない。 4. 血流速度の計測値はプローブの傾きに依存する。 5. サンプリングボリュームの大きさはFFT波形に影響を与えない。
正答:4
解説:FFT波形の縦軸は周波数(流速)、横軸は時間である。拍動性の流れを確認する事が可能である。サンプリング定理を満たさない場合、折り返し現象が起きるため、サンプリングボリュームはFFT波形に影響を与える。
問14. X線CT装置の日常点検における性能評価項目で正しいのはどれか。 1. ノイズ 2. 表面線量 3. 漏洩電流 4. CTDI測定 5. 射入角精度
正答:1
解説:CTの日常点検項目
ノイズ、コントラストスケール、空間分解能、スライス厚、高コントラスト分解能、低コントラスト分解能、線量指数(CTDI)
診療画像検査学(10問)
問15. MRIの化学シフト(共鳴周波数の差)を用いた脂肪抑制法として誤っているのはどれか。 1. SPIR法 2. STIR法 3. CHESS法 4. DIXON法 5. 二項励起パルス
正答:2
解説:STIR法はT1緩和時間の差を利用して脂肪の信号にnull pointを設定することで脂肪抑制をする方法です。
問16. 眼底写真(別冊No.1)を別に示す。視神経乳頭はどれか。1. ア 2. イ 3. ウ 4. エ 5. オ
正答:1
解説:ア:視神経乳頭 イ:中心窩 ウ:黄斑 エ:静脈 オ:動脈
問17. 脳のファンクショナルMRIで解析対象の信号源に利用されるのはどれか。 1. BOLDによる磁化率効果 2. MTパルスによる磁化移動効果 3. MPGによる水分子拡散強効果 4. CHESSパルスによる脂肪信号抑制効果 5. ガドリニウム造影剤による緩和時間短縮効果
正答:1
解説:BOLDによる磁化率効果が信号源として利用されます。
問18. 膝MRIのプロトン密度強調矢状断像(別冊No.2)を別に示す。矢印で示すのはどれか。1. 半月板 2. 後十字靭帯 3. 前十字靭帯 4. 外側側副靭帯 5. 内側側副靭帯
正答:2
解説:後十字靭帯と前十字靭帯は正面側面どちらの画像でも分かるようにしておきましょう。
問19. 頭部MR像(別冊No.3)を別に示す。矢印で示すのはどれか。1. 外転神経 2. 顔面神経 3. 三叉神経 4. 動眼神経 5. 内耳神経
正答:3
解説:答えは三叉神経です。脳神経の出る場所は覚えておきましょう。
問20. 肝臓の超音波像(別冊No.4)を別に示す。矢印で示すのはどれか。1. 下大静脈 2. 中肝静脈 3. 左肝静脈 4. 右肝静脈 5. 腹部大動脈
正答:1
解説:下大静脈から3本の肝静脈が出るこの画像はよく出てくるので解剖をしっかりと覚えておきましょう。
問21. SE法と比較した高速SE法の特徴で正しいのはどれか。 1. 撮影時間の延長 2. 脂肪の低信号化 3. 磁化率効果の減少 4. 画像の高コントラスト化 5. パーシャルボリューム効果の減少
正答:3
解説:SE法と比較した高速SE法の特徴
撮影時間の短縮、脂肪の高信号化、画像コントラストの平均化などがあります。
問22. 上腹部超音波横断像(別冊No.5)を別に示す。矢印で示すのはどれか。1. 門脈 2. 肝動脈 3. 脾静脈 4. 腹部大動脈 5. 上腸間膜動脈
正答:5
解説:おたまじゃくしの頭が門脈、そこから尻尾の脾静脈が走行します。脾静脈の下に上腸間膜動脈が見えます。
問23. 骨盤部MRIのT₂強調像(別冊No.6)を別に示す。矢印で示すのはどれか。1. 子宮 2. 精嚢 3. 直腸 4. 膀胱 5. 前立腺
正答:5
解説:前立腺です。MRIの解剖も良く出てくるものはしっかりと覚えておきましょう。
問24. プローブを第4肋間胸骨左縁から頭側に傾けて撮影した心エコーの四腔断面像(four chamber view)(別冊No.7)を別に示す。1. 右心室 2. 左心室 3. 左心房 4. 大動脈 5. 肺動脈
正答:2
解説:矢印から右回りに左心室、左心房、右心房、右心室になっています。心エコーの画像でよく出てくる画像なので解剖しっかりと覚えておきましょう。
核医学(10問)
問25. ガンマカメラの性能の保守点検基準(JESRA X-0067*C⁻²⁰¹⁷)で6月ごとに点検するのはどれか。 1. 固有均一性 2. SPECT均一性 3. 固有空間分解能 4. 固有計数率特性 5. SPECT回転中心のずれ
正答:2
解説:これはかなり難しい問題なので、余裕がある方は覚えましょう。
問26. ジェネレータシステムから娘核種を抽出する操作はどれか。 1. ミルキング 2. ラベリング 3. クエンチング 4. チューニング 5. カウンティング
正答:1
解説:娘核種を抽出する事をミルキングと言います。
問27. 肝胆道シンチグラフィで正しいのはどれか。2つ選べ。 1. ⁹⁹mTc-HMDPを用いる。 2. 正常例では腸管が描出される。 3. 新生児黄疸の鑑別診断に用いる。 4. アシアロ糖蛋白受容体と結合する。 5. 負荷検査の薬剤としてフロセミドを用いる。
正答:2,3
解説:肝胆道シンチでは⁹⁹mTc-PMTを使用します。乳児黄疸、急性胆嚢炎、胆汁漏出の診断、確認に用いられる。負荷検査はありません。GSAアシアロシンチでアシアロ糖蛋白受容体を使って画像化します。
問28. センチネルリンパ節シンチグラフィを用いる疾患はどれか。 1. 骨肉腫 2. 白血病 3. 悪性黒色腫 4. 悪性リンパ腫 5. 多発性骨髄腫
正答:3
解説:センチネルリンパ節センチグラフィの対象疾患は、主に乳癌と悪性黒色腫です。最近では、婦人科系の癌にも使われていますが、国試レベルでは乳癌と悪性黒色腫で大丈夫です。
問29. ¹⁸F-FDG腫瘍PET検査で正しいのはどれか。 1. アミノ酸代謝を評価する。 2. 静脈注射後3日で撮影する。 3. 早期胃癌の診断に有用である。 4. 前処置として下剤を投与する。 5. 主な排泄経路は腎・尿路系である。
正答:5
解説:糖代謝を評価します。PETは約60分後に撮影します。適応は、てんかん、心サルコイドーシス、高安動脈炎、早期胃癌を除く悪性腫瘍です。前処置としては、検査前4~6時間の絶食です。心サルコイドーシスの場合は12時間以上の絶食が必要になります。
問30. 心臓核医学の検査で正しいのはどれか。 1. ⁹⁹mTc-tetrofosminは虚血評価に用いる。 2. ⁹⁹mTc-MIBIは急性心筋梗塞に集積する。 3. ²⁰¹TlClは受動拡散によって心筋に取り込まれる。 4. ¹²³I-MIBGは心筋の脂肪酸代謝の評価に用いる。 5. ¹²³I-BMIPPは心筋の交感神経活性の評価に用いる。
正答:1
解説:MIBIは心筋梗塞で集積しません。PYPが心筋梗塞で陽性描出されます。²⁰¹Tlは能動輸送によって取り込まれます。MIBGは交感神経シンチに使用され、脂肪酸代謝はBMIPPが使われます。
問31. 骨シンチグラフィで正しいのはどれか。 1. 腸管が描出される。 2. 骨粗鬆症の診断に有用である。 3. 小児では骨幹部の集積が高くなる。 4. ペースメーカーは集積欠損像となる。 5. 放射性医薬品投与後72時間以降に撮影する。
正答:4
解説:骨シンチは、約3時間後に撮像します。骨転移や疲労骨折などの診断に有効です。小児では骨端部の集積が高くなります。
問32. ガンマカメラの空間分解能について正しいのはどれか。 1. コリメータの厚さが厚いほど低い。 2. コリメータの穴径が小さいほど低い。 3. シンチレータの厚さが厚いほど高い。 4. 半値幅(FWHM)は百分率(%)で表す。 5. 被写体-コリメータ間距離が大きいほど低い。
正答:5
解説:コリメータが厚くなるほど空間分解能は高い。穴径は小さいほど高くなる。シンチレータの厚さが厚いほど感度は高くなるが、空間分解能は低下する。FWHMは幅で表します。
問33. 核医学の画像処理と目的の組合せで正しいのはどれか。 1. Butterworth<バターワース>フィルタ ——— 減弱補正 2. Chang<チャン>法 ——――――――――— 画像再構成 3. OS-EM法 ——―――――――――――――— 画像再構成 4. Triple energy window 法 ——――――――— 減弱補正 5. Wiener<ウィナー>フィルタ ——―――— 散乱線補正
正答:3
解説:バターワースはノイズ除去に使用される。Chang法は減弱補正(吸収補正)に用いられる。TEW法は散乱線補正に用いられる。ウィナーフィルタは鮮鋭化フィルタとして用いられます。
問34. 腎臓の核医学検査で正しいのはどれか。 1. ⁹⁹mTc-DMSAを用いる検査では利尿剤による負荷をかける。 2. ⁹⁹mTc-DTPAを用いる検査では腎血漿流量を算出する。 3. ⁹⁹mTc-DTPAを用いる検査では前処置として食事制限を行う。 4. ⁹⁹mTc-MAG₃を用いる検査では前処置として水分摂取制限を行う。 5. ⁹⁹mTcMAG₃を用いる検査では排泄の指標としてTmaxを算出する。
正答:5
解説:DMSAは腎静態シンチに使われるため、負荷検査はしない。DTPAでは、糸球体ろ過量を算出します。MAG3で、腎血漿流量を算出します。腎動態では前処置として飲水をすることがあります。食事制限や水分制限はしません。
放射線治療(10問)
問35. 放射性感受性が最も高いのはどれか。 1. 乳癌 2. 前立腺癌 3. 悪性黒色腫 4. 扁平上皮癌 5. 悪性リンパ腫
正答:5
解説:放射線感受性が高い癌は、悪性リンパ腫、セミノーマ、ウィルムス腫瘍などがあります。放射線感受性が低い癌としては、悪性黒色腫、骨肉腫、繊維腫などがあります。
問36. 限局性脳腫瘍の放射線治療で全脊髄照射を必要とするのはどれか。 1. 髄芽腫 2. 髄膜腫 3. 膠芽腫 4. 下垂体腺腫 5. 聴神経鞘腫
正答:1
解説:全脊髄照射の適応には、髄芽腫、頭蓋内胚細胞腫瘍(高悪性度)、上衣芽腫などがあります。
問37. 子宮頸癌術後照射の急性期有害事象はどれか。 1. 腸閉塞 2. 下肢浮腫 3. 直腸出血 4. 膀胱出血 5. 白血球減少
正答:5
解説:急性期有害事象には腸炎(吐き気、下痢など)膀胱炎、皮膚炎、粘膜炎、感染症、白血球減少などがあります。晩期障害に、腸管の症状(吸収不全、腸閉塞、直腸出血、狭窄など)、膀胱出血、骨盤骨折、骨粗鬆症などがあります。
問38. 前立腺癌の予後因子でないのはどれか。 1. PSA値 2. 腫瘍の大きさ 3. 前立腺の体積 4. リンパ節転移 5. Gleason<グリソン>スコア
正答:3
解説:前立腺癌特有の因子として、グリソンスコア、PSA値があります。その他、腫瘍の大きさやリンパ節転移などは癌の予後因子としてよく用いられます。
問39. 根治照射と緩和照射について正しいのはどれか。 1. オリゴ転移は根治照射の適応となる。 2. 根治照射は緩和照射と比較して総線量が小さい。 3. 根治照射は緩和照射と比較して1回線量が大きい。 4. 緩和照射では照射する腫瘍の縮小を目的としない。 5. 緩和照射では急性期合併症よりも晩期合併症の軽減に努める。
正答:1
解説:根治治療は、完全に治すことを目的としているため長期間の照射が必要となる。よって、総線量は大きくなる。緩和治療は疼痛緩和などを目的としているため一回線量は大きくなる。緩和治療では、根治を目的とはしないものの、脊髄横断などの場合は腫瘍縮小を目的とする事もあります。緩和照射は、緊急の照射目的なこともあるので急性期の合併症の軽減を目的とする。
問40. 密封小線源治療で正しいのはどれか。 1. ¹⁹²Irの半減期は約60日である。 2. 子宮頸癌の治療には¹²⁵Iを用いる。 3. 子宮頸癌RALS治療は1回照射で行う。 4. ¹²⁵Iを用いた前立腺癌の治療は永久挿入によって行う。 5. 子宮頸癌RALS治療での線源停留範囲はタンデムよりオボイドの方が長い。
正答:4
解説:¹⁹²Irの半減期は73.8日である。子宮頸癌の治療には¹⁹²Irが用いられる。RALSは週に1回複数回行われるのが一般的である。RALSに用いるアプリケータはタンデムの方が長い。
問41. 熱可塑性樹脂の固定具(シェル)で正しいのはどれか。 1. 40℃程度で軟化する。 2. 体位の再現性を高める。 3. 患者に圧迫感を与えない。 4. 皮膚線量の低減に有効である。 5. 閉所恐怖症の患者に有効である。
正答:2
解説:シェルは体位の固定のために用いられ、患者に圧迫感を与えるため、閉所恐怖症の患者には圧迫感があるため使えない場合もある。ビルドアップにより皮膚線量が増加する事がある。
問42. 放射線治療装置の受入試験で正しいのはどれか。2つ選べ。 1. メーカーのみで実施する。 2. 計算値を測定値で検証する。 3. コミッショニング後に実施する。 4. 仕様書を満たすことを確認する。 5. 定期的品質管理の基本データを得る。
正答:4,5
解説:受け入れ試験は、業者が主体で行なわれる装置の性能と安全性の確認をする試験である。
問43. 皮膚表面から最大深が20mmある標的の治療を電子線を用いて行う。適切な深部量百分率曲線とボーラスの組合せはどれか。ただし、治療有効深は80%とする。1. A ——— ボーラス無し 2. B ——— ボーラス無し 3. B ——— 10mmボーラス 4. C ——— ボーラス無し 5. C ——— 10mmボーラス
正答:5
解説:
問44. 陽子線治療の主加速器として用いられるのはどれか。2つ選べ。 1. リニアック 2. サイクロトロン 3. シンクロトロン 4. マイクロトロン 5. Cockcroft-Walton<コッククロフト・ウォルトン>形加速器
正答:2,3
解説:サイクロトロンとシンクロトロンが答えになります。シンクロトロンの前段加速器としてはリニアックが用いられます。
医用画像情報学(5問)
問45. 論理演算表を図に示す。論理回路で正しいのはどれか。 1. NAND 2. NOR 3. 否定 4. 論理積 5. 論理和
正答:1
解説:論理演算表と論理回路を覚えておきましょう。AND回路はA・B、OR回路はA+Bであり、それぞれ0,1を入れることにより計算して作ることも可能である。
問46. 医用画像について正しいのはどれか。 1. 標本化は画像の空間分解能に影響しない。 2. 8bitで量子化された画像の階調数は1,024である。 3. CADとはコンピュータによる自動確定診断システムである。 4. DICOM画像はオブジェクト指向モデルに基づいて情報が定義されている。 5. 画像間隔0.1mmで標本化された画像のナイキスト周波数は2cycles/mmである。
正答:4
解説:標本化は画像をどのくらい細かく分解するかなので空間分解能に非常に関係しています。8bitで量子化された階調数は2⁸なので256階調である。CADはコンピュータ支援診断なので、あくまで支援診断であり、自動診断ではない。ナイキスト周波数=1/(2×標本化間隔)よりナイキスト周波数は5cycles/mmである。4は定義なのでそのまましっかり覚えてください。
問47. 診療録等の電子保存の3原則の組合せで正しいのはどれか。 1. 見読性 効率性 認証性 2. 見読性 真正性 認証性 3. 見読性 真正性 保存性 4. 効率性 認証性 保存性 5. 効率性 真正性 保存性
正答:3
解説:電子保存の3原則は、「真正性、見読性、保存性」です。
問48. マトリクスサイズ2,048×2,048で1,024階調のRAWの画像ファイル容量[MB]はどれか。ただし、ヘッダ情報は含まないものとする。 1. 4 2. 8 3. 20 4. 40 5. 60
正答:2
解説:2,048×2,048×10bit÷8÷1,024÷1,024
問49. 放射線情報システムの機能に含まれないのはどれか。 1. 照射録の作成 2. 検査の予約管理 3. 患者基本情報の登録 4. 検査の実施情報入力 5. モダリティとの情報連携
正答:3
解説:患者基本情報の登録はHISとう病院情報システムに含まれる機能です。
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