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診療放射線技師国家試験

第74回診療放射線技師国家試験解説〈午前②〉

午前(AM)②

基礎医学大要(15問)

問50. 骨格筋でないのはどれか。

1. 心筋
2. 僧帽筋
3. 大殿筋
4. 胸鎖乳突筋
5. 上腕二頭筋

正答:1
解説:自分の意志で動かすことができることから随意筋とも呼ばれ、組織上は横紋筋という種類になります。これに対し内臓筋は平滑筋であり、自由に動かせるわけではないので不随意筋であるといえます。心臓は自分の意志では動かせない不随意筋なので、骨格筋ではありません。

問51. 後腹膜臓器でないのはどれか。

1. 胃
2. 腎臓
3. 膵臓
4. 上行結腸
5. 腹部大動脈

正答:1
解説:十二指腸、膵臓、腎臓、副腎、尿管、腹部大動脈、下大静脈、交感神経幹
場合によっては上行結腸、下行結腸、直腸、膀胱も含めることもある。

問52. 脳神経でないのはどれか。

1. 嗅神経
2. 視神経
3. 三叉神経
4. 尺骨神経
5. 舌下神経

正答:4
解説:嗅神経(Ⅰ)・視神経(Ⅱ)・動眼神経(Ⅲ)・滑車神経(Ⅳ)・三叉神経(Ⅴ)・外転神経(Ⅵ)・顔面神経(Ⅶ)・内耳神経(Ⅷ)・舌咽神経(Ⅸ)・迷走神経(Ⅹ)・副神経(Ⅺ)・舌下神経(Ⅻ)

問53. 視覚野が存在するのはどれか。

1. 小脳
2. 後頭葉
3. 前頭葉
4. 側頭葉
5. 頭頂葉

正答:2
解説:視覚は後頭葉です。聴覚:側頭葉、味覚:側頭葉、運動:前頭葉

問54. 副交感神経が興奮したときの作用はどれか。

1. 散瞳
2. 発汗
3. 気管支拡張
4. 心拍数減少
5. 消化管運動低下

正答:4
解説:いろいろと覚える項目は多いですが、交感神経興奮時は運動時、副交感神経興奮時は、運動していない時をイメージすると分かりやすいと思います。

問55. 副腎から分泌されるのはどれか。

1. グルカゴン
2. カルシトニン
3. コルチゾール
4. バソプレシン
5. トリヨードサイロニン

正答:3
解説:グルカゴン:膵臓、カルシトニン:甲状腺、コルチゾール:副腎、バソプレシン:脳下垂体後葉、トリヨードサイロニン:甲状腺

問56. 視交叉に解剖学的に最も近い部位はどれか。

1. 眼球
2. 小脳
3. 下垂体
4. 松果体
5. 脳梁膨大部

正答:3
解説:視交叉に最も近いのは下垂体になります。

問57. 胎児期にみられる動脈管で大動脈と直接交通するのはどれか。

1. 右心房
2. 肺静脈
3. 肺動脈
4. 内胸動脈
5. 肋間動脈

正答:3
解説:胎児期にみられる動脈管(ボタロー管)は肺動脈と大動脈を連結します。

問58. 皮膚について正しいのはどれか。

1. 構成成分に漿膜がある。
2. 体温を調節する働きがある。
3. 加齢とともに厚さが増加する。
4. 真皮は角化扁平上皮からなる。
5. 癌化する場合は腺癌の頻度が高い。

正答:2
解説:皮膚の解剖はあまり多くは出ませんが、今回出てきたので上皮系について改めて押さえておいてください。皮膚は、表皮、真皮、皮下組織からなります。体温調節機能があります。基底細胞がん、有棘細胞がん、悪性黒色腫(メラノーマ)が多くみられます。

問59. 癌性疼痛に対する医療用麻薬の使用について誤っているのはどれか。

1. 経口投与を基本とする。
2. 疼痛の強さに応じて投与する。
3. 時間を決めて規則正しく投与する。
4. 患者個人の特性に合わせて投与する。
5. 使用量の増加には限度が設定されている。

正答:5
解説:医療用麻薬については、初めて出たと思います。難しい問題ですね。

問60. 肝細胞癌で正しいのはどれか。

1. 早期から黄疸が出現する。
2. 肝硬変患者での発症が多い。
3. 特異性の高い腫瘍マーカーはCEAである。
4. 早期からリンパ節転移をきたすことが多い。
5. 我が国ではB型肝炎ウイルスに起因するものが最も多い。

正答:2
解説:肝細胞の80%は肝硬変からと言われています。肝細胞癌の腫瘍マーカーはAFP、PIVKA-Ⅱです。

問61. 上行結腸を栄養する血管はどれか。

1. 腎動脈
2. 腹腔動脈
3. 内腸骨動脈
4. 下腸間膜動脈
5. 上腸間膜動脈

正答:5
解説:上腸間膜動脈は腹部にある動脈の1つであり、通常、腹腔動脈の下方で腹大動脈の前面から生じる。上腸間膜動脈は十二指腸の下部から横行結腸の3分の2までの腸と膵臓を栄養している。

問62. 厚生労働省の令和2年(2020年)人口動態統計による日本人の死因の第2位はどれか。

1. 肺炎
2. 老衰
3. 脳血管疾患
4. 悪性新生物(腫瘍)
5. 心疾患(高血圧症を除く)

正答:5
解説:1位:悪性新生物 2位:心疾患(高血圧を除く) 3位:老衰
死因は2,3位が年度によって変わるので、国家試験前には最新のものをチェックしておきましょう!

問63. MRIにおける安全性について正しいのはどれか。

1. 人体の発熱は主に傾斜磁場により発生する。
2. 脳動脈のクリップは多くが磁性体である。
3. 胎児や乳児に対する安全性は確立されている。
4. 導電性ワイヤーを内在したカテーテルは、発熱の原因となる。
5. 条件付きMRI対応ペースメーカーは、撮影条件を厳守すれば全ての施設で検査が可能である。

正答:4
解説:人体の発熱は主に静磁場により発生する。脳動脈瘤クリップは現在は、非磁性体のものが増えているのでほとんど昔の手術でない限りは大丈夫です。条件付きMRI対応ペースメーカーはその施設が条件を満たしている場合のみ使用する事が出来ます。

問64. 造影剤を逆行性に投与する検査はどれか。2つ選べ。

1. 食道造影
2. 注腸造影
3. 冠動脈造影
4. 子宮卵管造影
5. 十二指腸造影

正答:2,4
解説:逆行性の造影検査は注腸造影、子宮卵管造影があります。

放射線生物学(5問)

問65. 放射線によるDNA損傷で細胞の致死作用が最も高いのはどれか。

1. 架橋
2. 塩基損傷
3. 塩基の遊離
4. 一本鎖切断
5. 二本差切断

正答:5
解説:細胞致死作用が最も高いのは、それだけダメージが大きいという事です。つまり、二本差切断は起きる頻度は少ないですが、細胞の致死作用は高くなります。

問66. 骨髄に2Gy被ばくしたとき、末梢の血球で最も早く減少するのはどれか。

1. 血小板
2. 好中球
3. 赤血球
4. 好塩基球
5. リンパ球

正答:5
解説:

(出典:日本アイソトープ協会 放射線取扱の基礎)

問67. 放射線治療で生じる皮膚症状の時間的経過で正しいのはどれか。

1. 脱毛 → 表皮剝離 → 発赤   → びらん
2. 脱毛 → 発赤   → 表皮剝離 → びらん
3. 発赤 → 脱毛   → 表皮剝離 → びらん
4. 発赤 → 表皮剝離 → 脱毛   → びらん
5. 発赤 → 表皮剝離 → びらん  → 脱毛

正答:3
解説:発赤 → 脱毛 → 表皮剝離 → びらん と段々と症状が重くなります。

問68. 放射線による発がんで正しいのはどれか。

1. 最も発生数が多いのは膵臓癌である。
2. 最も発生率が高いのは白血病である。
3. 年齢が高くなるほどリスクは高くなる。
4. 固形がんの発生リスクは男性の方が高い。
5. 固形がんは被ばく後10年以内に発生する。

正答:2
解説:がんの中で最も発生率が高いのは、白血病である。癌の発生率は確率的影響なので不変である。固形癌のリスクは女性は男性より若干高いことが分かっている。また、固形癌は平均10年以上の潜伏期間がある。

問69. LETについて正しいのはどれか。

1. OERに比例する。
2. α線は低LET放射線である。
3. 100keV/mm前後でRBEとの関係性が変化する。
4. LETを算出するための基準となる放射線はX線やγ線である。
5. 放射線の種類やエネルギーによる生物学的影響の評価に用いられる。

選択肢において正解を得ることが困難なため、全員正解として取り扱う。

放射線物理学(5問)

問70. 静止していた電子を1MVの電位差で加速した。加速された電子の運動エネルギーEと電子の静止エネルギーE₀の比(E/E₀)に最も近いのはどれか。

1. 0.5
2. 1.0
3. 2.0
4. 3.3
5. 8.2

正答:3
解説:E=qVより加速された電子の運動エネルギーは1、静止エネルギーE₀は0.511よって、E/E₀=2.0

問71. ニュートリノの放出を伴うのはどれか。2つ選べ。

1. β⁻壊変
2. β⁺壊変
3. 内部転換
4. 核異性体転移
5. 軌道電子捕獲

正答:2,5
解説:ニュートリノの放出を伴うのは、β⁺壊変と軌道電子捕獲です。β⁻壊変では反ニュートリノが放出されます。

問72. 電子線のエネルギーが12MeVのとき、アルミニウム中の飛程[cm]に最も近いのはどれか。ただし、アルミニウムの密度は2.7g/cm³とする。

1. 1.1
2. 2.2
3. 3.3
4. 4.7
5. 5.9

正答:2
解説:R = 0.5E/ρより、0.5×12/2.7=2.2

問73. 0.025eVの中性子の速度[m/s]に最も近いのはどれか。ただし、中性子の質量は1.67×10⁻²⁷kg、1eV=1.60×10⁻¹⁹Jとする。

1. 2.2×10³
2. 2.2×10⁵
3. 2.2×10⁶
4. 2.2×10⁹
5. 2.2×10¹²

正答:1
解説:これくらいなら2,200m/sと覚えておいても解ける問題。E=1/2×mv²で求めることが出来る。
0.025eV×1.6×10⁻¹⁹=1/2×1.67×10⁻²⁷×v²よりvについて解く。よってv=2.2×10³

問74. Larmor<ラーモア>周波数を表す式はどれか。ただし、γは磁気回転比、B₀は磁束密度である。

1. 2πγB₀
2. 2π/γB₀
3. 2πγ/B₀
4. B₀/2πγ
5. γB₀/2π

正答:5
解説:ω=γB₀、ω=2πfより
2πf=γB₀ f=γB₀/2π

医用工学(3問)

問75. 図Aの回路に図Bのような波形の正弦波交流電圧v[V]を抵抗R=10Ωに加えたとき、流れる電流の瞬時値[A]を表す式はどれか。ただし、電流の周波数を100Hzとする。

1. 10sin(200πt-π/6)
2. 10sin(200πt+π/6)
3. 10√2sin(100πt+π/6)
4. 10/√2sin(100πt-π/6)
5. 10/√2sin(200πt+π/6)

正答:1
解説:i(t)=Imsin(ωt+θ)
Im=V/R=100/10=10 10sin(2×π×100-π/6)

問76. 図の回路でa-b間の電位差[V]はどれか。

1. 0
2. 1
3. 3
4. 5
5. 6

正答:2
解説:

問77. 二極真空管の空間電荷制限領域で、陽極電圧25V、陽極電流100mAのとき、陽極電圧を9Vとすると陽極電流[mA]に最も近いのはどれか。

1. 4.7
2. 13.0
3. 21.6
4. 36.0
5. 50.6

正答:3
解説:I=Vの2分の3乗
100:5×25=x:9×3 よってx=21.6

放射線計測学(5問)

問78. W値の定義で正しいのはどれか。

1. 電離箱中で生成される全電荷
2. 断面積daの球に入射する粒子の数
3. 質量dmの物体に付与された平均エネルギー
4. 粒子フルエンスΦ中の物質との相互作用の確率
5. 気体中で1イオン対を生成するときに消費される平均エネルギー

正答:5
解説:定義は、気体中で1イオン対を生成するときに消費される平均エネルギー

問79. 蛍光ガラス線量計について正しいのはどれか。

1. 積算型の線量計である。
2. 繰り返し読取ができない。
3. プレヒートで蛍光中心が消去できる。
4. TLDと比較してフェーディングの影響が大きい。
5. フィルタなしの素子はエネルギーが1MV以上のX線に対して高感度である。

正答:1
解説:蛍光ガラス線量計は積算型の線量計で、繰り返し読み取りが出来ます。アニーリングによって消去できます。フェーディングは非常に小さいという特徴があります。

問80. 倍数と接頭語の組合せで誤っているのはどれか。

1. 10²  ——— c<センチ>
2. 10³  ——— k<キロ>
3. 10⁶  ——— M<メガ>
4. 10⁹  ——— G<ギガ>
5. 10¹² ——― T<テラ>

正答:1
解説:センチは10⁻²であり、10²はヘクトになります。

問81. 物理量と放射線の組合せで正しいのはどれか。2つ選べ。

1. カーマ ―――――― 中性子
2. 吸収線量 ――――― 陽子線
3. 質量減弱係数 ――― 電子線
4. 照射線量 ――――― 電子線
5. 阻止能 ―――――― 光子線

正答:1,2
解説:質量減弱係数は非荷電粒子線、照射線量は数keV~数MeVの光子、阻止能は荷電粒子線です。

問82. 標準計測法12の空洞電離箱の温度気圧補正係数の式で正しいのはどれか。ただし、測定時の温度をT[℃]、気圧をP[kPa]とする。

1. (273.2+T/273.2+22.0)・(101.33/P)
2. (273.2+22.0/273.2+T)・(1013.3/P)
3. (273.2+T/273.2+22.0)・(P/1013.3)
4. (273.2+20.0/273.2+T)・(P/101.33)
5. (273.2+T/273.2+20.0)・(1013.3/P)

正答:1
解説:(273.2+T/273.2+22.0)・(101.33/P)は公式なのでそのまま覚えましょう。

X線撮影技術学(10問)

問83. 乳房X線撮影において被ばくの低減につながるのはどれか。

1. 管電圧を下げる。
2. mAs値を上げる。
3. グリッドの格子比を高くする。
4. 乳房トモシンセシスを併用する。
5. フィルタをモリブデンからロジウムに変更する。

正答:5
解説:管電圧を下げると吸収されるX線が増えるため、被ばくは増加します。mAsを上げると撮影時間または管電流が増すという事になるのでX線の量が増えるため、総じて被ばく線量も増加する。グリッドの格子比を高くすると除去効率は高くなるが、その分線量をかけないといけないので、被ばくは増加します。トモシンセシスは被ばくが多いのが特徴です。フィルタをロジウムにすることで、特性X線にマッチしたフィルタになるので、K吸収端で不必要な被ばくが抑えられる。

問84. 左肘関節側面のX線写真(別冊No.8)を別に示す。矢印で示す部位と名称の組合せで正しいのはどれか。

1. ア ———— 橈骨
2. イ ———— 滑車
3. ウ ———— 鈎状突起
4. エ ———— 尺骨
5. オ ———— 肘頭

正答:5
解説:ア:上腕骨 イ:鈎状突起 ウ: エ:橈骨 オ:肘頭

問85. 胸部X線写真(別冊No.9)を別に示す。認められる所見はどれか。

1. 気胸
2. 結節影
3. 肺気腫
4. 肺ブラ
5. すりガラス様陰影

正答:1
解説:右肺が真っ黒に抜けて肺の血管が見えないため、無気肺である。

問86. チーム医療で正しいのはどれか。

1. 患者情報は共有しない。
2. 国家資格を持つ者で構成される。
3. 平常時の役割分担は明確化しない。
4. メンバーで総合的に意思決定をする。
5. 院内横断的に単一のチームを組織する。

正答:4
解説:患者情報を共有し、患者様も含めて各専門方向からアプローチする。

問87. 腹部の血管造影写真(別冊No.10)を別に示す。矢印で示すのはどれか。

1. 脾動脈
2. 総肝動脈
3. 左胃動脈
4. 腹腔動脈
5. 右胃動脈

正答:1
解説:腹腔動脈からの分岐する血管を押さえておきましょう。主に総肝動脈、左胃動脈、脾動脈の3本に分岐します。総肝動脈から先の分岐も押さえておく必要があります。

問88. X線撮影の体位(別冊No.11)を別に示す。観察部位はどれか。

1. 踵骨
2. 舟状骨
3. 足関節
4. 立方骨
5. Lisfranc<リスフラン>関節

正答:1
解説:踵骨(かかと)の撮影になります。

問89. 腹部のダイナミックCT(別冊No.12)を別に示す。時相の順番として正しいのはどれか。

1. A ー B ー C ー D
2. C ー A ー B ー D
3. C ー B ー D ー A
4. D ー B ー A ー C
5. D ー C ー A ー B

正答:3
解説:非造影相→動脈相→門脈相→平衡相と移り変わっていくのをしっかり押さえておきましょう。相ごとに、動脈相は動脈が最も強く染まっている、門脈相は肝付近の門脈に注目、平衡相は全体的に血管と実質の差がなくなっているなど特徴を押さえておきましょう。

問90. 体表基準と脊椎の位置との組み合わせで正しいのはどれか。

1. 喉頭隆起 ————― 第2頸椎レベル
2. 胸骨柄上縁 ———— 第1胸椎レベル
3. 剣状突起 ————― 第12胸椎レベル
4. 肋骨弓上縁 ———— 第3腰椎レベル
5. 腸骨稜 ————―― 第2仙椎レベル

正答:4
解説:喉頭隆起:第4頸椎 胸骨柄上縁:第2,3胸椎 剣状突起:第9,10胸椎 腸骨稜:第4,5腰椎

問91. X線写真(別冊No.13)を別に示す。造影されているのはどこか。

1. 回腸
2. 子宮
3. 直腸
4. 膀胱
5. 前立腺

正答:4
解説:造影されているのは、膀胱です。

問92. 頭部単純CT像(別冊No.14)を別に示す。矢印で示すのはどれか。

1. 骨
2. 梗塞
3. 出血
4. 腫瘍
5. アーチファクト

正答:3
解説:CTで出血は白く見えます。骨ほど真っ白ではないですが、白です。

画像工学(3問)

問93. 血管造影検査で焦点寸法が0.3mmのX線管を用いて焦点受像器間距離を100cmとしてX線撮影を行った。造影目的の血管が受像器から20cm焦点側にあるとき、この血管の幾何学的不鋭(半影)の大きさ[μm]に最も近いのはどれか。

1. 15
2. 25
3. 35
4. 50
5. 75

正答:5
解説:H=F(M-1)より H=0.3((100/80)/80ー1)
H=0.3(1.25-1)=0.075mm=75μm

問94. 空間周波数2cycles/mmのMTFが0.4である画像システムがある。このシステムに空間周波数2cycles/mmで平均10、振幅3の正弦波が入力されたとき、出力される平均10の正弦波の振幅はどれか。

1. 0.4
2. 0.8
3. 1.0
4. 1.2
5. 2.0

正答:4
解説:MTFは出力/入力なのでMTF=0.4ということは、出力/3=0.4より、出力=1.2

問95. 図に検出器システムA~EのMTFとWiener<ウィナー>スペクトルを示す。階調度が一定のとき、高周波領域のNEQが最も高いのはどれか。

1. A
2. B
3. C
4. D
5. E

正答:4
解説:NEQ=(G²・MTF²)/WSよりNEQが高くなるには、分子の値が大きく、分母の値が小さい方がいい。よって、その組み合わせをもつのは、高周波領域(グラフの右側)でMTFが最も大きいD、WSで最も値が小さいDのDが答えとなる。

放射線安全管理学(5問)

問96. DRLに最も関係するのはどれか。

1. 介入
2. 行為の正当化
3. 線量限度
4. 等価線量
5. 防護の最適化

正答:5
解説:DRLに最も関係しているのは、防護の最適化です。DRLは診断参考レベルとして、質を担保しつつ、被ばくを低減できるようにするという防護の最適化を目的としています。

問97. 公衆被ばくを低減させるのはどれか。

1. 原子力発電従事者の個人被ばく線量計着用
2. 航空機客室乗務員の乗務時間管理
3. 自動露出制御(AEC)を使用した胸部CT
4. 小児X線撮影介助者の放射線防護衣着用
5. 放射性医薬品を投与された患者の退室制限

正答:5
解説:放射性医薬品を投与された患者の退室制限をしないと、病院内外のその他の人へ体内から漏れ出る放射線によって被ばくさせてしまうので、公衆被ばくに関係しています。

問98. 非密封放射性同位元素の汚染箇所に対してスミアろ紙を用いたふき取りを行いGM管式サーベイメータで測定をしたところ、総計数率が1,200,100cpm、バックグラウンド計数率が100cpmであった。間接法による表面汚染密度[kBq/cm²]として正しいのはどれか。ただし、ふき取り効率を0.1、ふき取り面積を100cm²、検出器の計数効率を0.4、ふき取り試料の線源効率を0.2とする。

1. 2.5
2. 2.5×10
3. 1.5×10²
4. 2.5×10²
5. 1.5×10³

正答:2
解説:

(1200100-100/60)/100×0.4×0.2×0.1=20000/0.8=25000[Bq/cm²]=25[kBq/cm²]

問99. 放射線測定器と測定用途の組合せで正しいのはどれか。2つ選べ。

1. CR‐39 ———――――――――――— ²⁵²Cf外部被ばく
2. アルベド線量計 ————―――――― ²²³Ra排水濃度
3. ホールボディカウンタ ———―――— ⁹⁰Sr内部被ばく
4. 電離箱式サーベイメータ ————―― ¹²⁵I表面汚染密度
5. 液体シンチレーションカウンタ ——— ³H内部被ばく
 (バイオアッセイ法)

正答:1,5
解説:測定器と測定用途の組合せについては、数が多いですが、覚えるようにしましょう。

問100. 放射性同位元素等の規制に関する法令が規定する放射性同位元素による汚染状況の測定場所について正しいのはどれか。2つ選べ。

1. 管理区域の境界
2. 事業所等の境界
3. 廃棄作業室
4. 廃棄物貯蔵施設
5. 廃棄物詰替施設

正答:1,3
解説:管理区域の境界、廃棄作業室、作業室とつくもの

▼ 第74回診療放射線技師国家試験解説をまとめた記事はこちら

→ 第74回診療放射線技師国家試験「午前①」の解説

→ 第74回診療放射線技師国家試験「午後①」の解説

→ 第74回診療放射線技師国家試験「午後②」の解説

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